竹加工技術
竹材は、日本中から素性の良い真竹を集め、さらに選別してから加工を施します。竹は真っすぐに生えているように見えて、曲がりが強かったり材質が一定でなかったりします。楽庭で扱う竹材は、素材の品質が商品の品質を左右するため、竹材の選定には細心の注意を払っています。竹材は十分に乾燥させた後、防菌・防カビ処理を施して加工工程に入ります。
竹材は、適切なサイズに切断した後、研磨してささくれ等を除去します。竹材の表面は自然の味わいを十分に活かすためにそのまま使用します。割部分や端部などはささくれがでるため、研磨により滑らかな手触りにします。
竹材には、半分に割った割竹と丸太のまま使用する丸竹があります。丸竹は、乾燥による収縮が原因で表面にひび割れが起きやすいため、予め裏面に筋状の割目を入れておきます。これを背割と言います。背割のお陰で、収縮を割った部分で吸収するため、表面の亀裂を抑えることができます。
割竹及び丸竹は、加工後に再度防菌・防カビ処置を施します。丸竹は背割の隙間を利用して、丸竹の内部にも防菌・防カビ処理を施します。防菌・防カビ処理には木製食器の仕上げにも使われる安全性の高い人工漆を使用します。
丸竹と丸竹を組み合わせる部分には、窪みを作ります。窪みは手作業により位置を確認して削って作ります。この窪みがあることで、竹垣の位置を明確にして、また、丸竹の組合せをよりやりやすくしています。
竹材の全ての加工が終わると、最後に再度人工漆での塗布を行います。細部までしっかりと塗布することで、竹材が長期に渡って高い品質を保ち、美しさと手触りの良さを堪能できます。