出雲の神技をその手に
楽庭-IZUMO-

不老長寿、子孫繁栄、家内安全の願いを込められた日本庭園
極上のおもてなしの心を伝える場である日本庭園
人が集まり、ご縁をつなぐ場である日本庭園
古の時代から空間の価値を磨き上げてきた日本庭園
八百万の神々が細部に宿る日本庭園

ここ日本の出雲には、古の人々がいとなみ、私たちが受け継ぎ育んできた庭園「出雲流庭園」がある
幸運をもたらし、ご縁を結ぶ出雲流庭園を、もっと広くたくさんの方に届けたい
そんな思いで、本物配置と材質をそのままに、どこでも設置可能な組立式の庭園を開発
室内どこでも、生活様式にとらわれず、経験や技術も問わず、手元の置ける
新しい本格的組立式日本庭園「楽庭」をお届けします

本格的組立式日本庭園『楽庭』

 日本庭園は、大きな石やたくさんの庭木を使って広い面積に造られます。しかし、楽庭は、この日本庭園を机の上にのるくらいのサイズで、さらに、組み立てて誰でも作れるようにしました。つまり、誰でも簡単に本物の日本庭園を難しい技術は一切なく造ることができるのです。作成時間はたったの20分程度です。特別な道具は不要です。さらに、組み立てた楽庭は、簡単に解体して専用の箱に入れることで、簡単に移動させることができます。基本サイズは、縦90cm×横90cm×高さ55cmです。

 簡単に組立てることができる理由は、予め日本庭園職人が手作業で組立できるように細工しているからです。本来なら難しい技術が必要な竹垣も、土台に支柱を差し込み、寸法通りにカットされた竹材を組み合わせるだけで、洗練された竹垣が完成します。また、景石は、最も良い形になるように、予め石底がカットしてあります。よって、景石を定位置に置くだけで、最も見栄えのよいバランスの取れた庭園を造ることができます。石工が大石から掘り出した石灯ろうは、各部品を下から順番に組み立てるだけで、見事な灯ろうに仕上がります。このように簡単に組み立てることができるように、予め加工がされていますので、安心して楽庭を組み立ててください。

 また、庭園内に多く使われる景石について、どの場所に置くかによって、庭園全体のイメージがとても変わります。日本には日本庭園を美しくつくるための研究が大昔からされてきました。その築庭技術は現代まで受け継がれています。楽庭は、この築庭技術を“楽庭のこだわり”として説明しています。これでだれでも、こだわりの本格的な日本庭園を楽しむことができます。

島根県出雲地方に伝わる日本庭園『出雲流庭園』

 日本庭園は、日本の歴史と文化を背景として発展し、世界的にも美しい庭園として評価されています。日本庭園のデザインには、日本人の祈願や想いが込められています。中でも、神話の聖地として名高い島根県出雲地方に受け継がれている日本庭園は、出雲地方の独特の歴史と文化を背景に独特の発展を遂げた庭園であることから、出雲流庭園と呼ばれています。

 島根県出雲市は、日本の地域の中でも有名な場所として知られています。その理由は、出雲の地名は日本がつくられた歴史を伝える神話に何度も登場し、日本の由来を語るに欠かせない地域だからです。また、出雲地方が日本国内で特別な地域として扱われている証拠があります。それは10月の呼び方が出雲地方だけ特別に違うことです。

 日本にはもともと神道という考え方があります。自然現象や地域の守護神、祖先の霊など、さまざまな形態の神々があちこちに無数に存在するという考えです。日本人は、神々が山や川、木や岩、動物や植物など、自然界のあらゆるものに宿っていると信じています。また、英雄や神話上の存在なども神として崇めています。

 日本中に存在する数多くの神々を八百万の神(ヤオヨロズノカミ)と呼び、無数の神々がいることを意味します。日本の神話では毎年10月になると、八百万の神が出雲の地に集まり、世界平和と縁結びの会議を開催すると言い伝えられています。そのため、全国の神々は留守となるため、10月は神のいない月という意味で、「神無月(かんなづき)」と呼ばれます。しかし、出雲地方では、逆に八百万の神が日本中から集まって来るので、10月を「神在月(かみありづき)」と呼びます。このことは学校の教科書でも学ぶ有名な話です。日本の中でも出雲地方が特別な存在として扱われている一つの証です。特に、出雲地方は、神話の故郷として、神々しい神聖なる場所として、縁結びの御利益がある場所として、毎年たくさんの日本人が訪れる場所でもあります。

 出雲地方のおいて、1900年代に数千もの、同様の配置の庭園が同時多発的に生み出されました。これは、全国各地の日本庭園をみても、類を見ない現象です。しかも、驚くべきは、この庭園様式が一人の庭師の指導で造られたのではなく、多くの庭師がそれぞれ築庭しているのに、なぜか同じ配置であることです。そして、作庭技術を伝える教科書もなく、不立文字で現在まで継承されてきた出雲流庭園の発展は、今でも不思議な現象として調査研究の対象とされています。出雲流庭園の歴史や意匠については、書物や庭園研究者の発表などにより確認することができます。また、島根県出雲市では、この類稀なる庭園様式を文化財として保存しています。

楽庭は、類稀なる日本庭園『出雲流庭園』を今に伝える

素材と品質へのこだわり

 楽庭の主な素材は、自然素材の本物を使用しています。日本庭園で使われる、景石や竹垣の材料が、楽庭でも同様に使われています。しかし、通常の日本庭園での使い方よりも、工夫がされており、組立式日本庭園としての使いやすいようにしてあります。

 景石は、質感と色と形を見極めて、たくさんの自然石の中から選りすぐり、最も適したものを採用しています。景石は組合せる石同士の相性が最も重要です。石の統一感や一体感がないと、バラバラに散らばった庭園になってしまいます。日本庭園とは景石それぞれの個性を上手く一体化して、庭園全体でまとまりのあるデザインにする技術なのです。                     
 楽庭では、熟練の庭園職人が、数多くの石の中から最適な組合せを選んでいます。また、景石を庭園に据え付ける場合、地面を掘って、石が丁度いい高さや角度になるように調整します。どのくらいの高さや角度が最適であるかは、熟練の庭園職人が研ぎ澄まされた感覚で判断します。
 楽庭は、予め熟練の庭園職人が、最適な高さや角度になるように石を切断し加工しています。よって、誰が据え付けても常に高さと角度が最適となるようにできているのです。自然の石を見事に組み合わせて意味と価値を見出す技術は、日本庭園の醍醐味です。楽庭の景石は、この技術を誰でも使えるように、創意工夫がされているのです。

 楽庭の背景は竹垣で囲まれています。竹垣は、日本庭園に欠かせない伝統技術です。竹垣は結界を意味します。つまり、境目です。
 また、竹垣は、日本庭園の背景となり、日本庭園がより一層引き立つように演出しています。竹垣は、竹と竹を特殊な結び方でつなげています。楽庭では、予め竹を組みやすいように細工して納品します。よって、難しい特殊な結びをする必要はありません。

 日本庭園で使う竹垣の竹材は、耐久性を考慮していません。しかし、楽庭は長期にわたり品質が保てるように工夫がしてあります。
 竹の作業工程は、まず天然の竹に熱を加えてまっすぐに矯正します。天然の竹は少しずつ曲がっているので、仕上がりを美しく見せるには矯正が必要なのです。その際に表面を十分に磨き、艶を出します。次に、竹材を乾かして中の水分を取り除きます。その上で、カビや虫被害を防ぐための薬剤を加圧注入します。丸竹はそのままだとヒビが入るので、予め背割といって、裏側に筋を入れておきます。このように、本物の竹の材料が、長くもつように竹職人が工夫してきた技術が終結しています。カビや虫被害を防ぐための薬剤注入は、研究を重ねてデータをもとに最適な方法を採用しています。
 竹垣は予め最適な長さにカットしてあるので、穴の開いた支柱に接続するだけで完成します。支柱は木材でつくられています。支柱に使う木材は、割れにくくするために芯抜き材を使用しています。また、長期的に使えるように防虫剤を加圧注入し、保護塗装しています。このようにして長持ちする素材を使っています。また、組立には釘やビスは使いません。

 灯ろうは、本物の石を使用しています。島根県出雲地方でしか産出できない来待石(きまちいし)を加工しています。
 来待石は、1,400万年前の火山堆積物が海底に堆積して形成された砂岩です。古くは、5世紀ごろ(古墳時代中期)には古墳の石室や石棺(せっかん)に使用されました。良質な石質から、江戸時代には「御止石(おとめいし)」と呼ばれ、藩の許可がなければ藩外へ販売することができない特別な石材でありました。江戸時代後期には、日本海航路や陸路によって建材や石灯ろう、狛犬(こまいぬ、出雲唐獅子)などを始めとする様々な石製品が、全国各地へと盛んに運ばれています。石灯ろうは、出雲灯ろうの名で親しまれ、近年世界への輸出もされています。来待石は、砂岩でできているため、加工がしやすいとともに、色合いが落ち着いて価値の高い石です。
 灯ろうは、石を順番に積むことで立派な姿になります。灯ろうの一つ一つの部品は、熟練の石工職人が手作りで石を掘って作り上げています。よって、一つの灯ろうをつくるには、多くの時間を要します。灯ろうをつくる技術のある職人は非常に少なくなりました。楽庭の灯ろうは、わずかに残った出雲灯ろう職人が一つ一つ丁寧に作り上げています。

手入れをして楽しむ

 日本庭園は、常に美しく保つために手入れをすることも重要とされています。日本庭園は完成したときよりも、何十年、何百年と年数を経たほうがより美しくなるとされているのも、この手入れがあってこそのことなのです。しかし、楽庭では、落ち葉拾いも、水かけも不要です。基本的に手入れは不要ですが、楽しむための手入れは可能です。楽しむための手入れとは、砂利の手入れです。砂利は海や川を表します。日本庭園では砂利に波の模様を描くことがあります。これを砂紋(さもん)と呼びます。ある宗派のお寺では、庭園の砂利に砂紋を描くことを修行の一環としています。砂紋は、綺麗に砂利を整えることで精神が落ち着き、心が休まります。楽庭では砂紋に適した細かで美しい砂利を採用しています。
 また、灯ろうには火を灯して、夜の演出を味わえます。灯ろうの明かりで浮き上がった日本庭園を見ながら、お酒を楽しんだり、会話を楽しんだりできます。

 楽庭には、オプションがあります。今後も多くのオプションを発売する予定です。オプションを使って、楽庭をより楽しんだり、自分流にカスタマイズできます。
 例えば、新たに石を追加して豪華な日本庭園にしたり、ご自身でイメージした庭園に造り変えることができます。また、関守石を配置して日本庭園独特のマナーを取り入れることができます。日本庭園には、一般の方がこれ以上先は入ってはいけませんという立ち入り禁止の表示が存在しません。その代わり、関守石が置かれています。関守石は、拳程度の丸い石をシュロ縄で綺麗に縛ったオシャレな石です。これが置いてあると、ここから立ち入り禁止の意味となります。一見分かりづらいですが、庭園全体のイメージを崩さないように、工夫されているのです。よって、日本庭園では関守石を跨いでいってはいけません。楽庭でも関守石を置くことで、日本庭園のマナーを採り込むことができます。

 他にも、手ホウキやスコップなどの小道具のオプションを発売予定です。また、近い将来には「楽庭」に植物を取り入れるオプションも開発しています。

「楽庭」は眺めるだけではなく、手入れやカスタマイズして楽しめ

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