日本庭園に影響を与えた3つ「その3仏教」

 日本庭園には3つの思想が影響しています。三番目に影響を与えた思想は「仏教」です。仏教とは、紀元前4世紀かから6世紀の間に釈迦によって創設され、6世紀ころに日本に渡ったとされます。仏教が日本に与えた影響は非常に大きく、日本庭園には仏教由来の意匠が多く見られます。

 写真は仏教の世界観である小宇宙をイメージしたとされる日本庭園です。仏教の世界観では、須弥山という世界の中心にそびえるという高山があります。この山を中心に七重に山が取り巻き、山と山との間に七つの海があり、いちばん外側の海を鉄囲山が囲みます。須弥山を順に取り囲む九つの山と、八つの海があることから、この世界観の事を九山八海と呼びます。築山のてっぺんに立てられた石が須弥山を表しています。中腹にあるたくさんの石は九山八海を表しています。

 日本庭園は、仏教の世界観を取り入れて、世の中の安寧や救い、願いが込められています。日本庭園は、長い歴史の中で、その時代の情勢を反映しています。いつの時代も、思想は変われど、幸せを祈った理想郷を描いていたのです。