日本庭園には3つの思想が影響しています。一番目に影響を与えた思想は「神道」です。神道とは、日本の民族信仰として伝えられた道のことです。神話の神様である天照大神(あまてらすおおみかみ)を始め、国家的・民族的な基礎を持つ神々を祭り、その教えを尊ぶ信仰で、日本人の生活文化の全般に浸透しています。
神道では、動物や植物、あらゆる現象や、太陽から月、風、家のなかの便所まで世の中に存在するすべての物に神が宿っていると考え、そうした無数の神々を八百万の神(やおよろずのかみ)として崇める風習があります。
神を招いて祭をした岩石を「磐座」といいます。古代では神を迎え祭るために磐座を小型の石で周囲を囲ったり、石を積み上げたりしました。これを「磐境」といいます。こうして、五穀豊穣、無病息災、子孫繁栄を願ったのです。
日本人は、石や木に対して畏敬の念を持っています。日本庭園には、随所に神道の影響が感じられます。